
竹ア一成熊本県町村会会長(芦北町長)(左)に対し要請書を渡す上田孝会長(美里町議長)
=熊本市の熊本県町村会事務局
本会の上田孝会長(美里町議会議長)は6月13日、熊本県町村会の竹ア一成会長(芦北町長)に対し、議員報酬の適正化に関する要請を行いました。
近年、町村議会においては、議員のなり手不足が深刻な問題となっており、低額な議員報酬がその大きな要因であるとの考えのもと、現在、全国町村議会議長会をはじめ、各都道府県町村議会議長会は、議員報酬の適正化に関する運動を展開しております。
その運動の一環として、各町村長の皆様方にもこうした状況をご認識いただきご賛同いただけるよう、全国町村会及び各都道府県町村会に対して要請活動を行っております。
本会は、昨年8月に開催した理事会で要請を決定し、町村会に対し文書で要請しましたが、議員報酬の適正化の流れにさらなる弾みをつけるため、この度、町村会の竹ア会長に対し、上田会長より直接要請書をお渡しし、改めて要請しました。
要請の内容は下記のとおりです。
【議員報酬の適正化に関する要請】
近年、町村議会議員のなり手不足問題が深刻化している。
町村議会議員の一般選挙における無投票の割合は、平成23年からの4年間では全国の20.4%であったのが、平成27年からの4年間では21.9%、令和元年からの4年間では27.4%と増加の一途をたどっており、県内においても、6.5%から18.8%、さらには22.6%と同様に増加傾向にある。
なり手不足は、住民の主権者意識を低下させるとともに、議会の存在意義を脅かし、二元代表制の趣旨を損なう危険性があるだけではなく、選挙が行われる機会が度重なって失われることは、地方自治の弱体化を招き、町村全体のみならず、ひいては都道府県や国の危機にも繋がるものである。
この問題には様々な要因が絡み合っているが、都道府県議会議員、市区議会議員と比べて、町村議会議員の報酬は著しく低く、そのことが大きな影響を及ぼしていることは明らかである。
このような中、全国町村議会議長会は、令和6年5月22日、議会に多様な人材の参画を促す観点から、更なる議会改革を進め、議会・議員の活動量を豊富化し、住民の理解を得ながら議員報酬の適正化を図っていくことを決議したところであるが、本会としても、全国町村議会議長会と一致協力して取り組んでいく所存である。
よって、町村長各位におかれては、我々町村議会の取り組みにご理解をいただいたうえで、以下の点についてご留意されるよう、要請する。
記
1 議員報酬の検討に当たっては、類似団体や近隣町村との比較のみにとらわれることなく、議会が導き出した結論について、十分尊重されたいこと。
2 議員報酬の検討に当たって、特別職報酬等審議会の意見を聴く場合は、審議会の運営等について、次の事項に留意すること。
(1)審議会委員には議会の活動状況を把握している者を選任すること。
(2)議会側に意見陳述の機会を付与すること。
(3)議会・議員の活動状況を単に審議日数のみで捉えることなく、住民との対話や日常の議 員活動など活動量や活動内容を踏まえ検討すること。
(4)類似団体や近隣町村との単純な比較のみにより議員報酬の水準を決定しないこと。
(5)議会費の総額ありきの考え方から議員報酬を増額する代わりに議員定数を安易に削減する ことのないようにすること。